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卒業式&プロジェクト報告

  • Writer: yoko0670
    yoko0670
  • Apr 2
  • 4 min read

2026年3月25日に2025年度卒業式が行われました。

ドイツ語・フランス語を学んだ総合政策学部の4年生たちも多摩キャンパスから旅立っていきました。みなさん卒業おめでとうございます!


写真はヤンボール先生のドイツ語授業とゼミ(ドイツの歴史社会・日独の社会文化の比較論)の様子です。




ヤンボール先生のゼミ学生が学内奨学金(リサーチ奨学金)を受給し、ドイツの「政治教育」について研究しました。以下、学生の報告と感想を紹介します。



私が取り組んだプロジェクトは、ドイツの政治教育センターという行政機関に聞き取り調査を行うことで、若者や子どもが政治に興味を持つための政治教育の在り方を探るというものでした。近年、人々の政治への関心が高まっているといわれることもありますが、日本の若者の投票率は依然として低いのが現状です。直近の衆院選では全体の投票率は約56%と約半数が棄権した結果となっており、20代の投票率は34%ほどと政治関心の低さが顕著です。この現状に問題意識を持ち、「どうすれば若者や子どもの政治への関心を高め、投票率を上げることができるのか」を考えるようになりました。調査対象としたドイツでは、全体・若者ともに投票率が約80%と高く、また国際比較調査においてもドイツの若者の政治意識が高いことが明らかになっています。政治教育は人々の政治関心に影響を与えるだろうという仮説に立ち、投票率の高いドイツではどのような取り組みが実践されているのかを明らかにしました。


プロジェクトに際し、ドイツ特有の行政機関である「政治教育センター」にインタビュー調査を行いました。政治教育センターは設立当初、「ドイツ国民を民主主義に向けて教育し直す」という再教育を目的としたものでしたが、現在はウェブサイト上での記事の投稿や出版物の販売など幅広い活動をとおして、ドイツ国内の全ての市民に政治教育を提供しています。私は、子ども向けのコミックを主に作成する連邦の政治教育センターの編集部と、ドイツで最大の人口を有するノルトライン=ヴェストファーレン州、旧東ドイツの歴史を持つブランデンブルク州の政治教育センターに対する聞き取り調査を行いました。そのうち、後者2件については、本プロジェクト奨学金を利用し、現地での調査を行い、また別日程で現地の施設見学も実施しました。



各インタビューの前には、ゼミのヤンボール先生に協力していただき、ドイツ語での質問票を作成しました。質問票の内容は各センターの活動やその対象者に合わせて作成しました。子ども向けのコミックを作成している編集部には、「より多くの子どもたちにコミックを読んでもらうための工夫は何か」、各州のセンターには「学校での政治教育をどのように支援できると思うか」や「他の政治教育のアクターとどのように連携しているのか」と聞き、各センターの活動がどのように学校外において、受け手である若者や子どもたちに影響を与えているのかを探りました。


3つのインタビューを通して興味深かったのは、センターの職員が政治「Zusammenleben(共生)」と捉えていたことです。政治を選挙や制度としてではなく、「人々が共に生きていくためのルール」として捉える視点は、子どもたちが政治を自分自身の問題として考えるきっかけになっていると感じました。また、障がいや出自に関わらず「すべての人のための教育」をめざす包摂的な教育理念が、政治教育の根底にあることも確認でき、この考えは日本の、政治を「難しいもの」と捉えがちな状況を変える手掛かりになるのではないかと考えています。また、センターの活動は義務教育の一環ではないため、市民(特に若者)が自主的に参加する姿勢を尊重しており、日本でもこうした上からの押し付けではなく、学生たちが自発的に取り組めるような政治教育の実現が重要だとも感じました。



本プロジェクトを通じて、私はとても充実した学生生活を送ることができました。調査先の選定からインタビューの準備、ドイツへの渡航、帰国後のインタビュー考察と、リサーチフェスタへの準備。とても濃密な1年でした。入学時に第2外国語として履修を始めたドイツ語で質問票を作成し、現地の職員の方々に直接インタビューすることには難しさもありました。しかし、現地で職員の方と英語を使いながら対話し、インタビューでは聞けなかった話や個人的な経験に基づく話を聞いたり、私自身も日本の政治教育について話したりと、言語の壁を越えて知見を深めることができました。


入学当初は自分がドイツでオールドイツ語のインタビューをすることになるとはまったく想像していませんでした。なんとなく履修を決めたドイツ語でしたが、2年の春休みに学部の外国語研修で初めてドイツを訪れた経験が、ドイツ社会への関心を大きく広げ、ゼミ加入の大きなきっかけにもなり、最終的にプロジェクトという形で総政での4年間の集大成につながったと感じています。


本プロジェクトで得られた経験は、今後の学びや社会との関わりの中で活かされるものと考えています。プロジェクト奨学金制度により、このような貴重な学びの機会を得られたことに深く感謝しています。

 
 
 

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教育|中央大学総合政策学部ドイツ語・フランス語研究室

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